再定住地域でプレスクールの先生のディプロマコースのサポートプログラム

Published
2013年07月31日

Agency: World Vision Sri Lanka

このプロジェクトは、北部スリランカのムッライッティーブ地方の新たな再定住地区で、プレスクールの先生が免許状を取る支援をして、プレスクール教育の質の向上を目指すために企画された。先生自身も紛争で被害を受けた帰還民で、以前は限られていた上級教育を受ける機会をこのプロジェクトで先生たちに提供できる。

スリランカは30年近くの間、国のタミル北部と東部の支配をめぐり、スリランカ政府軍とタミル・イーラム解放の虎(LTTE)が戦った長い内戦で被害を受けた。特にムッライッティーブは、過去数10年間プレスクール教育は進んでいなくて、被害の広がりのために再定住地域のなかで最も回復ができていない弱い地域である。

先生のディプロマコースプロジェクトは、114人のプレスクールの先生が直接支援を受け、間接的には1,600人のプレスクールの学生が恩恵を受ける。ワールドビジョン・ジャパンの姉妹組織のワールドビジョン・スリランカ(WVL)と地域の教育部門委員会が先生を選び、その先生たちは360時間のトレーニング(土曜、日曜は1日に6時間)を受ける。タミル文化では教職は女性が就くことができる数少ない職業の1つなので、参加者の大多数は女性だ。このプロジェクトは先生を訓練して、スリランカの国の基準まで先生が到達できるよう保証して持続可能な教育を促進する。

追加情報

スリランカの内戦は30年近く続き、推定で8万~10万人が死んだ。2004年にインド洋津波が国を襲いさらに大きな被害を受けた。敵対する政府軍とLTTEの間で合意していた停戦が徐々に破られ、スリランカ軍は2008年9月から軍事攻撃を始め、やがて2009年5月に政府軍はLTTEに勝利した。内戦は終わったがスリランカの多くの地域は今なお非常に疲弊している。

このプロジェクトはワールドビジョン・ジャパン(WVJ)が始める。WVJは1991年10月からスリランカの発展を支援していて、主に国の南部と東部の地域で多くのプロジェクトを始め成功している。

成果

学位コースに参加した114人の先生のうち、89人が試験に合格し、1、2学期を終えた。その学期には児童心理から創作にわたるコースがあった。
多くの先生は能力を高め、そのコースを受けて、引っ込み思案の態度を克服したり、リーダーシップのスキルの向上を直接学べたと感じた。
コースの後先生たちは、理論を学ぶ大切さに気付かされ、心理的な問題を抱えている子どもを見極め、助けることができると言っていた。

ケーススタディ

M. Malarchelvy(39歳)はREIの支援で学位コースを終えた幼稚園の先生である。彼女はスリランカのムライティブ地方のマリティメパトゥで15年間同じ幼稚園で仕事をしてきた。 「私たちが学位コースで習ったことを幼稚園で実践し始めると、子どもたちも極めて明らかな変化を示し始めました。小学校の先生たちや校長先生からも反応がありました。先生たちは驚いて次のように話しています。「今年入学した子どもたちは以前の子どもたちとは大変違っています。子どもたちはとても活発で積極的で反応が速く情緒的にも安定しています・」