ベビーキット、カレン州 (2013)

Published
2013年09月20日

Agency: Karen Women’s Organisation

このプロジェクトでビルマのカレン州の新生児の母親に2,000のベビーキットを配布する。キットにはベビー用石鹸と洗濯石鹸、サロン、おむつ、母親の健康に関するパンフレットが入っていて、それらすべては安い値段で長くもつ。このプロジェクトはカレン州の最近の出生率に基づいて、今年カレン州で生まれる子供のすべての母親にベビーキットを配布することになる。

カレン人はビルマ最大の少数民族の1つで、主にビルマの南東のカレン州に住んでいる。 1949年にカレン民族同盟が独立を、後には民族自決を求めてビルマ政府と長い戦いを始めた。長年続いている紛争は、最近(2012年)になってやっとビルマ政府と合意した停戦のため和らいだが、多くの死者や難民が生じた。難民のほとんどは戦いを逃れるため、国内避難民となったり、タイ西部に逃げたりした。

ベビーキットプロジェクトを通してカレン・ウィミンズ・オーガニゼイション(KWO)は、カレン州の7地域の1つ、またはイーツタにある国内避難民(IDP)キャンプで出産するすべての母親に健康パックを配布することを目指している。キットは1つ約10ドル、日本円で1,000円かかる。KWOからカレン人女性によって配布されることになる。

追加情報

REI(国際難民支援会)は2002年、KWOのベビーキットプロジェクトが始ってから一貫してそれに資金を提供してきた。 KWOはベビーキットプロジェクトを最初タイービルマ国境の難民キャンプで始め、後に2003年9月ビルマ内のカレン州で行った。近年はこのプロジェクトで約6,000個のベビーキットを新生児の母親に提供してきた。

KWOは1949年に創設され、カレン人女性のコミュニティベースの組織で、タイービルマ国境沿いの難民キャンプで成長と安らぎを提供し、ビルマにいる国内避難民に関わって活動している。1949年の創設以来、KWOは社会福祉に焦点を置くのはもちろん、コミュニティの意思決定と政治のプロセスへの女性の参加を促進することで、女性の権利意識を高めることに努めてきた。

2012年1月にカレン民族同盟はビルマ政府との停戦にサインしたが、それはカレン州での約半世紀にわたる戦いの終結を求めてのことである。しかし停戦にもかかわらず、多くのビルマ軍がカレン州に残り、政府は権力を強化し続けている。その結果戦争再発の恐れはかなり高く、カレン人コミュニティは非常に困難な状態の中で暮らし続けている。

成果

KWOは、すでに購入し次の月に配布するため残してあった5,384個のうち5,186個のベビーキットの配布を成功のうちに終えた。割り当てられた200キットのうち162個がイフツフタ(EeHtuHta)国内避難民キャンプで配布された。ベビーキットの健康手引きは再検討され改良され、父親へのメッセージも付け加えられた。

キット配布に加えて、KWOのスタッフと一緒に8ヶ所へ成果のチェックのために出かけ、直接母親たちに会ってキットについて話し合い反応を聞き取った。

ケーススタディ

「ベビーキットを受け取ると健康の手引きが入っていて、生まれた赤ん坊に与えてはならない食物、また初乳の大切さとそれを赤ん坊に与えなければならない、ということを知った。これまでこういうことは全く知らず、初乳を赤ん坊に飲ませたことはなかった。」