REIについて

REIが難民のことを避難民と呼ぶ理由は、「難民」という言葉の語源にあります。

日本では、紛争などの理由によって国から逃れなければいけない人を示す言葉として、英語のRefugeeが「避難民」と訳され、用いられるようになりました。そして現在では、それが省略された表現「難民」が広く用いられるに至っています。今日、「難民」という言葉は「帰宅難民」「買い物難民」「食料難民」などのように、様々な事情で困難に置かれている人々を表す言葉として、本来の意味とは異なった文脈で使われつつあります。そのような中で、今一度、「難民」とはどのような人々のことを表す言葉かを考える機会になるよう、そして全ての方が難民とはどのような人々のことを指すか見て分かるよう、私たちREIは難民のことを「避難民」と呼んでいます。

文化、宗教、信念が異なろうと、大切なのは苦しむ人々の命を救うこと。
自分の国だけの平和はありえない。
世界はつながっているのだから。

これは日本人で初めての国連難民高等弁務官として、1991年から2000年まで10年間の任期を務めた緒方貞子さんの言葉です。

避難民の定義

難民条約が定めている避難民の定義によると、避難民とは「迫害のおそれ、紛争、暴力の蔓延など、公共の秩序を著しく混乱させることによって、国際的な保護の必要性を生じさせる状況を理由に、出身国を逃れた人々」であると言われています。

すなわち、避難民とは生命や安全が危険に晒され、国を逃れる以外に選択肢がない人々のことを指します。

彼らは、安全な国、地域へ逃れたからといって快適な生活を送ることが保証されているわけではありません。紛争や内戦によって財産を失い、貧しい生活を余儀なくされることもあるのです。

近年の戦争や武装紛争により、世界では毎日3万2千人もの命や無数のコミュニティが危険にさらされ、地球全体では8,400万人以上もの人々が避難生活を余儀なくされていると言われています。これは実に日本の人口の約50%以上にもあたる数です。

活動内容

REIは、紛争などによって生み出された避難民の生活が少しでも豊かになるよう、並びに彼らが安心して毎日を過ごせる日々が来るよう、避難民支援を目的とするプロジェクトに資金を提供しています。

そして、REIは避難民たちが故郷へ戻る事が出来た時、あるいは安全な国での生活ができるようになった時に自分の力で社会に適応する事ができるよう、カウンセリングや教育の支援など、避難民のスキルを磨くための活動を行なっています。

彼らが出来るだけ故郷に近い場所で、家族や友人、大切な人と共に、ごく普通の小さな幸せを感じられる生活ができるように最大限のサポートをする事が、REIの使命です。

避難民と聞くと、私たちとはかけ離れた問題であると思いがちです。しかしながら私たちにも避難民と共通して言える事があります。

それは、彼らも私たちと同じように、生きるために必要にしているもの、当たり前に持っている権利を必要としていることです。彼らは、避難所や医療、教育へのアクセス、及びに人間としての尊厳を保ちたい願い、また将来を見据えることができる生活を切望しています。REIは、人間が生きていく上で必要なもの、持つべき権利を避難民たちも持てるよう支援しています。

REIの使命

REIは、直接現地を訪問、視察し、プロジェクトの現地状況の確認を行うと共に、皆さまからのご寄付金が、いつ、どこで、どのように使われ、どのような結果をもたらしているかを明確にしています。

また、REIが支援プロジェクトを選考する際には、「将来にわたって活動が効果的に行われるか」、という持続可能性を重視します。プロジェクトが継続的に進められ、かつコミュニティ特有のニーズに応えながら大きな影響をもつには、避難生活者のコミュニティ全体の関与が不可欠です。そして、そのコミュニティが資金援助に依存することなく、自立的に活動できるようにする為にも、持続可能性はプロジェクト選択への大きなカギとなっています。

REIは、1979年以来、800件以上の避難民支援プロジェクトに支持され、総額およそ1,100万ドルのサポートを実施しています。


特定非営利活動法人 0104-05-015803