
「私たちがやらなければ、誰がやるの?」
これは、REIが支援する現地プロジェクトのリーダーの言葉です。自分たちにしかできないことを、自らの手で成し遂げる——REIは、そのような人々を支援しています。
避難民が生まれない世の中を作るためには、脆弱な立場に置かれている人々が力をつけなければなりません。
これは、1979年の設立以来、REIが多くの避難民コミュニティを訪れる中で確信を深めてきたことです。
Refugee Empowerment International(REI) は、故郷を追われた人々が生活を立て直し、自らの力で未来を構築するための「地域主導型」プロジェクトを支援しています。
私たちは、介入や直接的な支援よりも、現地の人々とのパートナーシップを重視しています。地域に根ざした人材やスキル、そして利用可能な資源を最大限に活かすことで、持続可能な成果につながると信じているからです。
私たちの目指すのは、世界中の避難民が自分たちの未来を切り拓き、やがてコミュニティに貢献できる社会です。
REIは、避難民や国内避難民(IDPs)、帰還民、そして受け入れ先の地域コミュニティの声に耳を傾け、「自分たちに何ができるのか、何をしたいのか」を理解することを大切にしています。また、支援したプロジェクトの成果を継続的に見守り、その活動が持続可能であることを確認しています。
統計によると、多くの避難民や国内避難民は、自分たちの文化を守りながら故郷の近くにとどまることを望んでいます。しかし、こうした人々の存在は忘れられがちです。REIは、まさにこのようなコミュニティを支援の対象としています。
私たちは、教育、雇用創出、人権・法的支援、そして環境・コミュニティづくりという4つの柱を通じて、人々のエンパワーメントにつながるプロジェクトを選んで支援しています。
1件あたりの支援額は年間最大で25,000米ドルです。1979年の設立以来、REIは20カ国以上で820件を超えるプロジェクトを支援し、累計支援額は1,150万米ドル以上にのぼります。これまでに約100万人の人々に支援が届き、避難民の人々が自らの生活を再建し、自立を進めるための基盤づくりを後押ししてきました。
「テロを引き起こすのは、難民の流出ではありません。テロや圧政、そして戦争こそが人々を難民にしてしまうのです。」
—— アントニオ・グテーレス(現・国連事務総長、元国連難民高等弁務官 2005〜2015年)
難民の定義
難民とは、「人種、宗教、国籍、特定の社会的集団への所属、または政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあり、そのために自国の外にいて、自国の保護を受けることができない、またはその恐れから保護を求める意思がない人」と定義されています。この定義は、自国内で避難生活を余儀なくされている国内避難民(IDPs)にも当てはまります。
REIでは、難民を「避難民」と呼ぶようにしています。それは、「難しい民」や「弱者」というイメージを払拭し、「避難を強いられた人」と考えるためです。
世界全体で、強制的に故郷を追われた人々の数は、推計で1億2000万人に上るとされています(2025年)。実際には、さらに多い可能性もあります。これは、多くの国の人口を超える規模であり、日本の人口と同じ数字です。





避難民は、私たちと同じ人間です。さまざまな立場や職業の人々であり、医師、ITの専門家、教師、アーティスト、農家、ビジネスパーソン、研究者、学生、子どもたちなど、その背景は実に多様です。
彼らが望んでいるのは、私たちと同じように、食べ物や住まい、医療、子どもたちや自分の教育、そして何よりも、尊厳を持って生きられる、先の見える普通の暮らしです。
REIは、多くの人が当たり前だと思っているこれらの願いを、避難民となった人々が実現するための支援を行っています。
私たちの大切にしていること
REIは、責任と透明性を徹底し、皆さまからのご寄付が、どこで、いつ、どのように役立っているのかを明確にお伝えしています。支援先の選定にあたっては厳格な基準を設け、申請者には推薦者の情報、監査済みの会計報告、活動報告書の提出を義務づけています。また、REIのスタッフが現地を訪れ、状況を直接確認しています。
私たちがプロジェクトを選ぶ際に重視しているのは、地域コミュニティの主体的な関わりと持続可能性です。地域の人々が積極的に関わることで、それぞれのコミュニティが抱える固有の課題に的確に対応でき、またその効果が長く続くと考えているからです。持続可能性を重視するのは、支援を受けるコミュニティが支援に依存するのではなく、自分たちの力で地域の再生を進められるようになることを目指しているためです。
未来への投資
一人ひとりが自立し、力をつけることを支えることで、より強いコミュニティづくりを目指しています。
持続可能性
支援を受けた人々が、身につけた知識や技術を活かし、次のステップへと進んでいけることを大切にしています。
再構築 ― 避難民による、避難民のための取り組み
避難を余儀なくされるというトラウマから立ち直るには時間がかかります。しかし、避難生活を強いられた人々は、生き延びるためにも一日も早く生活の再建に取り組む必要があります。回復が進む中で、自分が持つ技術や能力を再発見したり、新たなスキルを学ぶことで、自分自身や家族を支えられるようになります。
避難民の人々には、自分たちのコミュニティの中で支え合い、新たなプロジェクトを立ち上げる強さ、たくましさ、そしてスキルがあります。ただ、リソースが限られています。そこで必要なのは「自分たちの力で立ち上がるための後押し支援」です。
REIの支援の核にあるのは、現地の人々の力を引き出すボトムアップのアプローチです。地域の人々自身が運営するプロジェクトは、その土地の状況や文化をよく理解しているからこそ、より深く地域に根づくことができます。REIは、こうした地域発の取り組みを後押しし、支援の輪を広げるための資金調達や啓発活動に取り組んでいます。
特定非営利活動法人 0104-05-015803