ケニア・ナイロビプロジェクト訪問
2024年07月15日
REIは6月24日から28日まで、ケニア・ナイロビにある「避難民能力開発・職業訓練プロジェクト」を訪問しました。一週間弱の短い訪問中、REIの支援により技能訓練を受けた13人の受益者に直接会い、彼らの現在の生活ぶりを確認し、訓練センターを訪問しました。
ナイロビ市内に済む避難民は、合法的な居住権を持たないことから、仕事や住居の確保など多くの懸念を抱え、厳しい状況での生活を強いられています。しかし、REIの支援プロジェクトを受講した避難民は、このような状況にも負けず、少しでも安定した生活を求めて、力強く生活していました。訪問したスタッフ一同、彼らの意志と決意に強い感銘を受けました。
今回は、過去の訪問で出会った受益者と、最近プロジェクトを卒業した人の双方に会うことができました。中には、一度軌道に乗せた事業をコロナの影響で失ってしまった人もいました。しかしその後再び立ち直り、事業を再建している様子を確認することができました。店の改装が必要となったり、再出発を余儀なくされても、前向きに生活をしていました。
職業訓練の内容は、以前と同様、食品、理容・美容、洋服の仕立てが最も人気のある分野で、それらの分野で多様な技術を目にすることができました。肉屋、八百屋、理髪店、貸衣装のデザインまで、アイディア溢れる事業をそれぞれが営んでいました。
訪問スタッフは、支援プロジェクトの徹底した研修制度が、受益者の事業の立ち上げと運営に間違いなく役立っていることを確認することができました。
出会ったひとりひとりの避難民が、一定の自立を手にしたことから生まれる生活の向上と安全の確保を評価していました。
アナスタシアはルワンダ出身で、小さな八百屋を営んでいます。「最初の店を経営していた時は、商売に集中していませんでした。友人とのおしゃべりを優先したりして、事業に集中できずに開店が遅れることもありました。研修を通して、責任能力と管理能力を身につけました。」
パトリシアはコンゴ出身のシングルマザーで、ビジネス研修を受ける前は家事手伝いをしていました。今は自分の仕立て屋を設立し、店の裏に住居を構えています。研修を通して、「お金がなくてもビジネスを始めることができる」、「まとまったお金がたまるのを待たずとも、決意があればやり抜くことができる」ことを学んだと言います。
モニークには、2018年に、彼女がまだ研修を受けていた時期に一度会いました。その後自分の仕立て屋を開店し、何度も改装し、コロナによって店を手放すことになった後、現在は自宅で仕事を続けています。「訓練で一度身に着けた技術や知識のおかげで、今ではYouTubeを見て、他の人が作っているものの作り方を理解することができます。そこでまた学び、自分でも作ることができるようになりました」。
REI代表のジェーン・ベストは、ビジマナとの3度目の嬉しい再会を果たしました。2016年から2018年にかけての彼の進捗を見守ってきましたが、残念ながらその後コロナの蔓延によって彼の「マンダジ」事業が後退したという報告を受け、懸念していました。今回会った彼は、「以前、買いに来ていた人たちが、(コロナにより)ナイロビの私の近所への訪問を拒否されてしまった。だから私は戦略を練り直し、新しいアイデアを出しました。例えば、この(別の)小麦粉に変えてみた。そして、マンダジのデザインも変えました。新しいユニークなデザインと新しい味で、人々が買いに来てくれるようになると思います。」ビジマナは最後にこう付け加えました。「困難はたくさんありますが、私たちはそれに慣れています。」
YouTubeを利用するというモニークのコメントは、デジタルアクセスが避難民にとっても、特に事業を拡大する上で重要になっていることが伺えました。世界との関係を維持するためにも重要なツールであるデジタルアクセスの拡大は、今後の避難民支援においても重要な課題だと言えます。