緊急事態が発生した時、まずはその場を生き凌ぐための支援が必要となることは確かです。しかし、ある程度の安全が確保された後、現地にいる避難民が本当に必要とするものは何か、他国や異なる文化圏に住む私たちが決められる立場にいると、果たして言えるでしょうか?
私が過去に訪問した国々で、先進国の組織や人間が善意で立ち上げたプロジェクトが、さまざまな理由で「寺を作って仏を入れず」という状態になっているのをたびたび目にしてきました。理由は、技術的なノウハウの不足、インフラの不足、物資の不足、あるいは、単にそのプロジェクトを全うさせたいという関心の欠如など、なのかもしれません。
腐敗とは無関係の、善意で立ち上げたプロジェクトでも、地元の知識や、きちんとしたフォロースルーがなければ、失敗に終わってしまいます。
REIは、このような事態を避けるためには、地元コミュニティ自体がプロジェクトに全面的に関与する必要があると考えます。避難民コミュニティには、私たちと同じ人間が住んでいます。私たちと同じように、夢や希望を持ち、さまざまなスキルを持つ人がいます。
REIは、避難民が何を望み、なぜそれを望むのか、どのように目的を達成するのか、そしてどのような結果を期待するのか、地元のプロジェクトリーダーの意見に耳を傾けます。
REIは小規模なNGOです。だからこそ、私は直接現地の関係者に会い、プロジェクトの目的が何かを学び、プロジェクトを卒業した人々がその後どのような人生を歩むのかを、自分の目で確かめることができます。そして、REIが集めた寄付金が、より持続可能な未来の構築に貢献していることを実感することができます。
REIの支援の受益者の一人、ウガンダのヘレンさんはこのように話してくれました。「お互いの苦難を少しでも軽減させるために助け合うこと。それ以外、私たちが生きている意味ってあるでしょうか?」