避難民コミュニティーの持つ力に光を
2024年08月09日
避難生活が長期に及ぶ生活を続けている数多くの人々は、そのコミュニティー内で、学校やクリニック、職業支援などの様々なプロジェクトを立ち上げ、自らの力で、普通の生活を取り戻すための努力を続けています。REIはその地域社会の持つ力に焦点を当て、資金提供を行っています。
地域主導型のプロジェクトは、その土地や文化に根付いた人々が運営するプロジェクトであるがゆえ、より持続可能で、高い効果を産み出すことを、長年の避難民支援の経験から学びました。
世界中で避難生活が長期化している、数百万人に及ぶ人々は、私たちの同情やその場しのぎの配給を望んではいません。望むのは、自立した、普通の生活を送ることです。そして、それを実現する力は、そのコミュニティーの中に潜在しています。
コミュニティが力をつけることで、将来の侵略にも対抗することができるようになります。
現在、紛争や迫害、民族差別によって避難を余儀なくされている1億1,000万人の避難民のうち、第三国定住を求めているのはわずか6%に過ぎません。
つまり、大多数の人々は故郷の近くにとどまり、いずれは故郷に戻りたいと願っています。多くのものを失った人々が求めているのは、安心のある生活です。それは、文化や慣れ親しんだ場所に留まるという安らぎによってもたらされるものです。
現地訪問すでは、以前会った受益者と再会したり、新しく出会う受益者と対面します。彼らは、REIが支援するプロジェクトに参加したことで学んだり、身に着けたスキルについて、とても誇らしげに話してくれます。
そして私たちは、彼らの話に耳を傾け、習得した知識や技術が実際に彼らの生活にどのように役立っているかを確かめます。彼らは、現在も様々な困難に直面しているにもかかわらず、力強く生きている様子を見せてくれます。そして、プロジェクトの恩恵が、受講した避難民自身のみならず、その地域社会にも効果を波及させていることを確認することができます。
しかしそれだけではありません。プロジェクトがもたらす最も大切な効果は、避難民が自尊心を取り戻すことです。配給に頼る生活を続け、次の食事がどこから来るのかを心配しなければならない生活を続けたい人などいません。
世界の避難民問題はあまりに甚大で、私たち一人ひとりにできることなどないと考えがちですが、支援先をきちんと見極めれば、少額でも避難民の生活に大きな変化をもたらします。
トップダウン式の援助は、現状維持に留まり、変化を起こすことはありません。緊急時には支援物資が必要ですが、長期的なインパクトを与えるためには、避難民コミュニティが持つ力に焦点を移す必要があります。
REIは避難民の地域社会に光を当てることで、人間の持つ可能性に投資します。それが避難民のためだけでなく、地球全体、そして私たち自身にも明るい未来をもたらす、最善の方法であると確信しています。