現場から見た全体像:難民支援における視野の広がり 

Published
2025年05月05日

私の名前はアレック・スタムです。現在、法科大学院で学んでいます。これまでにさまざまなインターンシップを経験してきましたが、移民や避難民についての理解が最も深まったのは、直近のインターンシップでした。 

ニューヨークでのインターンシップでは、移民の若者たちと直接関わる機会がありました。彼らの移民手続きを支援する中で、インタビューを行い、必要書類を集め、裁判所に提出するという、まさに現場レベルでの支援を行っていました。私の役割は、困難な状況にある若者たちを、直接的かつ即時に支えることに集中していました。 

Refugee Empowerment International(REI)でのインターンを始めてからは、現場支援を可能にする「裏側の仕組み」がいかに重要であるかを学びました。REIでは、ファンドレイジングや広報活動に携わりました。最初は法的支援とはかけ離れた業務のように思えましたが、実際にはこの活動こそが、現場の支援活動を支える根幹であると気づきました。 

REIは、単なる緊急対応ではなく、避難そのものを未然に防ぐことを目指す、避難民主導のプロジェクトを支援しています。たとえば、「摂取障害予防・教育・治療プログラム」や「母子保健啓発プロジェクト」では、自立支援、医療へのアクセス拡大、地域の回復力強化などを通じて、人々が自らの地域にとどまり、危機的状況による避難を回避できるよう後押ししています。これらの取り組みは「避難民のため」ではなく、「避難民によって」立ち上げられたものであるという点が、特に印象に残りました。この視点の変化を通して、ファンドレイジングとは単なる資金確保ではなく、持続的な安定、尊厳、自立を支える長期的な投資であると理解するようになりました。 

これら二つの経験は、私の避難民・移民支援に対する視点を大きく変えました。重要なのは、直接的なサービスだけでなく、それらを支える仕組み全体でもあるということです。このような広い視野を持つことで、より深く意義のある支援ができると実感しました。今後は、現場での直接的な支援に加え、支援団体の経済的な基盤づくりにも積極的に関わっていきたいと考えています。