避難民の労働力としての利点について 

Published
2025年05月01日

避難民は、施しを求めているのではありません。
彼らが求めているのは、仕事の機会、生活の安定、そして支援に頼らない自立した暮らしです。避難民が働ける環境を整えることは、地域社会への貢献を可能にするだけでなく、彼らが持つ知識や技術を地域にもたらし、将来にわたって活かすことにもつながります。農業、職人、教育などの分野で豊富な経験を持ち、強い責任感と勤勉さを備えた人も多くいます。 

こうした人々が地域の一員として働くためには、まず教育や職業訓練の機会が必要です。REIが支援するプロジェクトの多くは、地域のニーズに根ざした実践的な学びの場を提供しています。たとえば、ミャンマーのカレンニ・ソーシャル・ディベロップメント・センターや、レバノンのシリア避難民の子ども向け幼稚園プログラムでは、避難民自身が教員やスタッフとして活躍しています。ケニア・ナイロビで実施している「避難民エンゲージメント&エンパワメント・プロジェクト」では、若者を対象に読み書きや職業スキルの訓練を行い、経済的な自立と地域社会への統合を後押ししています。 

避難民が地域で働き、生活の基盤を築くことは、本人にとっての自立を意味するだけではありません。雇用する側にとっても、有能な人材を得る機会となり、地域全体にとっても、相互理解と信頼が育まれるきっかけになります。社会の中で共に生き、支え合う関係性が、そこから生まれていきます。