自分自身に力を与え、変化をもたらす

Published
2025年07月22日

私は「I want to make a difference (違いを生み出したい」という思いをずっと胸に抱いてきました。早稲田大学国際教養学部で国際関係を学び、カリフォルニア大学デービス校への交換留学では、キャンペーン活動やアドボカシーにも取り組んできました。その過程で、何度も理想と現実のギャップに直面し、自問し、落胆し、時には幻滅も経験しました。しかし、それでも外交やアドボカシー、そして草の根から社会を変えていく活動への思いは、いつも自分の中に戻ってきました。 

REI(Refugee Empowerment International)のインターンシップに参加したのはそういう思いからでした。誰かをエンパワーしたいと思うなら、まず自分自身が学び、経験し、成長すること、つまり、自分自身をエンパワーすることが必要だと感じたからです。 

REIでは、避難民となった人々が直面する現実を初めて深く知ることができました。在留許可などの法的書類の欠如、住居や医療、教育、就労へのアクセスの難しさ、そして過度に金銭的支援に頼ることのリスク。避難民や国内避難民は、国際関係論の授業や報道でも、注目を集める他の集団の陰に隠れ、語られる機会が限られています。 

そのなかで私が特に心を動かされたのは、REIが人道支援において「人間らしさ」「尊厳」「持続可能性」を重視し、過度な介入を避けるという姿勢でした。従来の「哀れで無力な存在」として描かれがちな「難民」像に対し、REIは「前向きに自立を目指し、他者をもエンパワーする力を持つ人々」として避難民を捉え、支援しています。 

REIでの活動は、私に「どうすれば違いを生み出せるのか」という問いへのヒントをくれました。避難民の方が経営するビジネスと協働し、ファンドレイジングイベントを企画したものの、残念ながら実現には至りませんでした。それでもこの経験は、ファンドレイジングの現場がいかに試行錯誤の連続であり、粘り強さと創造力が求められるものかを教えてくれました。こうした困難は、REIのエグゼクティブ・ディレクターであるジェーン・ベストOBEさん、ゼネラルマネージャーのエリソン安子さん、アドミニストレーション・アシスタントの齋藤マリ子さんをはじめ、現場の人道支援者たちが日々向き合っているものでもあります。 

一方で、REIの他のファンドレイジングイベントの現場をサポートする中で、長年REIを支えてきた支援者の方々と直接交流し、REIが避難民を通じて築いてきた温かなコミュニティの存在を実感することもできました。特に印象的だったのは、資金を集めながらも、共感や人間としてのつながりを大切にするREIの姿勢です。私は広報業務を通じて、支援を呼びかける力強いメッセージと、個々の避難民の物語に宿る尊厳や真実をどう伝えるか、そのバランスの難しさにも直面しました。 

しかし何より大きな学びは、スタッフの皆さんとの日々の関わりから得たものでした。イベントの現場でのシャドーイングや、毎週のミーティングの中で、REIがこれまで歩んできた道、人道支援の現場で得た知見、そして国境を越えて築かれてきた友情や信頼関係の大切さを、惜しみなく共有してくれました。 

私がREIに参加したのは、「違いを生み出したい」という一心からでした。そして、同じ思いを持つ人なら、インターン、ボランティア、支援者・寄付者として、それぞれの形で関わることができます。最初の一歩は、自分の知識や時間を無償で共有すること。REIの「仲間」として、避難民のエンパワーメントを支える波に加わることができます。 

「違いを生み出したい」その想いがあるなら、REIと一緒に、次の波をつくりませんか。 

Natsumi Tan, インターン2025