摂取中毒防止の教育プログラム、タイミャンマー国境

Published
2020年08月27日

プロジェクト内容

摂取中毒防止プログラムは、タイミャンマー国境にある5つの避難民キャンプ内の摂取中毒障害に対応しています。中毒患者への治療プログラムの施術や、摂取障害に関する防止的教育を学校や地域社会に広め、またプログラム施術者育成の教育も行なっています。その摂取中毒防止プログラムは90日の入院治療で、解毒治療、回復期治療、再発防止教育、社会復帰の各施術行程からなる内容です。施術内容は地域の文化に根ざした自然的治療法を採用し、鍼灸治療法、漢方薬、ヨガ、水浸法などを用いて行われます。

この治療プログラムの治癒成功率は60%と同例の施術プログラム比較でも高確率を達成しています。これは自然的治療法の採用と、社会復帰の治療行程における回復者への敬意が大切にされていることがその成功要因となっています。

防止教育の普及は該当する摂取障害の人びとやその家族、友人など本人たちを取り巻く人間関係の社会を大きく超えて、何千人ものタイミャンマー国境地域の避難民およびキャンプミャンマー国内にも広がっています。学校では生徒が力を結集して学校でのイベント、フリスビー大会やコンサートなどを設営し、その広報の媒体を利用してあらゆる薬物類の摂取障害に対する問題意識の啓発普及に務めています。

既存の治療施術技術者たちは新規の、また施術技術復習のための施術者育成のトレーニングも行っています。現在5名のキャンプ駐在施術指導員および1名の統括指導員が100名以上に行き渡る施術技術指導を行っています。

長期的な支援成果

2014年にREIは摂取障害治療マニュアル作成のために基金を提供。完成したこのマニュアルは各キャンプで活用され、施術技術者の手の届きにくい遠隔地などミャンマー国内各地でも活用されています。治療を受けた多くの人びとが回復期治療の一環として治療所や他のキャンプにおいて働き、摂取中毒の危険性についての認識を広める役割を果たしています。

基金の使途

治療施術に使われる医療備品、治療中の食料、スタッフの報酬などを基金がまかなっています。

支援成果事例

治療を受けた人の妻がその体験を語ります。「夫が治療所へ通う前は夫婦喧嘩ばかり、私たちの家庭の絆は引き裂かれ、不満が絶えませんでした。彼が治療を受けてからは全てが変わりました。治療前とその後では生活の内容が比較にならないほど良くなり、彼の変化を大変喜んでいます。これからふたりで新しい将来を作っていくことができます。」

現地の状況

タイミャンマー国境では多くの避難民の人びとが20年以上にわたってキャンプ内で生活を送っており、この状況はやがてひとに絶望感からそのはけ口を求めさせる原因となり、一時的な逃避願望から薬物へ依存することがやがて虐待や暴力、犯罪へと結びつく結果となっています。ミャンマーはアヘン、ヘロイン、覚醒剤原料の世界有数の生産国であり、薬物、ドラッグの売買が経済活動の中心とされています。そして薬物販売者のキャンプへの出入りがたやすいという事実もあります。

このプロジェクトはDAREによって運営されています。