カレンニソーシャルデベロップメントセンター

Published
2020年08月27日

プロジェクト内容

カレンニソーシャルデベロップメントセンター(KSDC)は、9ヶ月にわたる講座で、若い人びとはここで人権や法律、民主主義、環境問題のほか地域社会で発揮できるリーダーシップのスキルを学びます。学習科目には英語やコンピューター学習のほか、環境に配慮した社会生活のあり方、性差のない社会づくり、平和主義的な社会活動、避難民も含む人権のあり方などが含まれます。毎年35名の若者が基本のコースを履修、その後履修生から26名の申請者が選ばれてさらに上級の地域社会管理課コースへ進みます。

REIはこのKSDCの活動を数年にわたって支援しており、 履修科目内容の一貫性への改訂や、卒業生がやがて指導者として成長し、避難民キャンプやカレンニ州の地域社会に変化をもたらす役割を担っていく様子など、その内容の刷新の進行や、講座の効果を目の当たりにしています。

長期的な支援成果

2002年以来、500名の卒業生がキャンプの運営委員会に就職、各NGO団体、カレンニ州の地域社会での人びとへ人権について指導を行い、より良いサービスの提供が政府からなされるよう働きかけています。多くの若者にとって、自らの両親や身近な友人達が経験してきた困難を知っていることが、彼女たち、彼たちをこの指導的な活動へと駆り立てる原動力となっています。

基金の使途

提供される基金は、履修生の健康衛生費や教師の報酬、教材費をまかなうための費用として使用されます。

支援成果事例

2005年のKSDC卒業生であるロージーは話します。「この講座を履修して得たことは、知識の習得のほか、人前で発言をする自信です。私の履修科目は特に指導的役割を果たす準備に役立ちました。私は過去10年間カレンニウイメンズオーガニゼーションで勤務し、4年前管理職へと昇進しました。」

アンソニーは2003年に基礎コースを履修し、現在カレンニキャンプ1で公安および警備管理部門に勤務しています。「私の職務の最優先事項は、安全で秩序のあるキャンプ社会の運営です。さらに、私法、民事法に則り、被告原告双方に公平な裁判を行うことです。」

現地の状況

過去20年間にわたり2万2千人を超えるカレンニの人びとが故郷のミャンマーカレンニ(カヤー)州から追われて避難民生活を送っています。また多くの人びとがカレンニ州内にも州内避難民として存在します。

カレンニソーシャルデベロップメントセンターは2002年にカレンニキャンプ1に設営され、キャンプに住む人びとに教育の機会を提供する目的で、市民団体が運営しています。雇用と教育の機会の限られた環境にあるキャンプ在住の避難民の多くが、人権や自分の利益を守るための手立てを知りません。

全てのKSDCの教師は彼女、彼ら自身も避難民の立場であり、その多くがこの講座の履修生です。

REIはKSDCの活動を2002年以来支援しています。